2019年4月10日 / 最終更新日 : 2020年9月9日 レペ 国内小説 【本の感想】吉田修一『パーク・ライフ』 純文学が表しようのないものを文章にする文学ならば、何もないことをしたためている 吉田修一 『 パーク・ライフ 』も純文学なのでしょう。何もないのに詰まらなくないのが素晴らしい。ハッピーもアンハッピーもない。フツーであることがとても心地良い。 『 パーク・ライフ 』はそんな作品です。
2019年4月9日 / 最終更新日 : 2020年8月18日 レペ 国内小説 【本の感想】麻耶雄嵩『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』 噂に違わぬぶっ飛んだミステリです。「問題作」と言われるのも 宜なるかな。アンチミステリという表現が正しいかは分かりませんが、既成の概念をぶっ壊した作品ではあるのでしょう。恐ろしいものを読んでしまったというのが実感です。
2019年4月8日 / 最終更新日 : 2020年11月19日 レペ 国内小説 【本の感想】舞城王太郎『好き好き大好き超愛してる。』 「愛は祈りだ。」で始まる饒舌な物語です。死を目前にした恋人とのひととき、そしてその後を描いていますが、苦しみ悲しみを超越したものとなっています。溢れんばかりの思いのたけ。饒舌文体が拍車をかけます。びっくり仰天のラブ・ストーリーです。
2019年4月7日 / 最終更新日 : 2020年8月18日 レペ 海外小説 【本の感想】ジェフリー・ユージェニデス『ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹 』 舞台は、1970年代ミシガン州の田舎町。リズボン家の5人の姉妹が自ら命をたつ1年間の物語です。20年後に、彼女らの友人が過去を振り返っていく筋立てになっています。不思議と深刻さが希薄で絵画的かつ寓話的な作品です。
2019年4月6日 / 最終更新日 : 2020年8月18日 レペ 芸術 【本の感想】服部正『アウトサイダー・アート』 アウトサイダー・アートは、アートの枠組みにとらわれないアートという不可思議な概念。そんなアウトサイダー・アートをとおしてアートの本質を解き明かしてくれます。
2019年4月5日 / 最終更新日 : 2020年8月31日 レペ ノンフィクション 【本の感想】シャロン・バーチュ・マグレイン『お母さん、ノーベル賞をもらう―科学を愛した14人の素敵な生き方 』 ノーベル賞に関わった女性科学者たちの奮闘の歴史です。14人の女性科学者の生い立ちから、彼女たちがこの世界に残した偉大な業績、そして現在に至るまでが紹介されています。
2019年4月4日 / 最終更新日 : 2020年8月18日 レペ 国内小説 【本の感想】有川浩『植物図鑑』 突然の出会い、つのる思い、嫉妬、別離、そして・・・ という恋愛小説の王道フォーマットに則っています。「女の恋は上書き式、男の恋は保存式」(名言!)という さやかにとって、上書きできない恋の物語。めろめろメロウな甘茶ソウル的作品です。
2019年4月3日 / 最終更新日 : 2021年1月7日 レペ ノンフィクション 【本の感想】君塚直隆『ヴィクトリア女王 ― 大英帝国の“戦う女王” 』 ヴィクトリア女王の生涯をたどりながら、「太陽の沈まない国」として隆盛を極めた大英帝国での女王の”戦い”に焦点をあてたものです。全111冊に及ぶ女王の日記を丹念に読み込んでものしたという著者の労作になっています。
2019年4月1日 / 最終更新日 : 2020年8月18日 レペ 国内小説 【本の感想】伊坂幸太郎『死神の精度』 ミュージックが好きで渋滞が嫌いな雨男、否、雨死神が、死を裁定する物語です。あらすじからは、人の生に寄り添う善意といった、ありがちな展開を予想してしまいますが、そんな甘ったるさはありません。千葉と名乗る死神は至ってクールに生と死を見つめていくのです。