【本の感想】湊かなえ『告白』

本の感想 湊かなえ『告白』

2008年 週刊文春ミステリーベスト10 国内部門1位。
2009年 このミステリーがすごい! 国内編4位。

本作品は、娘を亡くした中学校女教師 森口悠子のモノローグから始まります。事故死として処理されていたものが、実は、教え子A、Bによって殺害されたとのだとクラスの皆の前で告げるのです。この告白をもって、悠子は学校を去るといいいます。A、Bへのちょっとした裁きを置き土産に ・・・

全編モノローグの本作品は、悠子から始まり、事件の加害者、そしてその周辺へと事件をなぞりながら進みます。ひとつの出来事を色々な角度から眺めることによって、A=修哉、B=直樹の幼女殺害に至るまで、そして事件が発覚した後の心の動きが明らかになるのです。

加害者、被害者が子供であり、それが発展していく様は、読んでいて強い抵抗感じます。と同時に、彼らの心の襞に分け入るような話の運びに、惹き込まれてしまうのも事実です。 悠子の怒りを押し殺した、慇懃無礼ともいえる嫌味たっぷりな告白(というかプレゼン) の凄みは必読です。

現実的かどうかは別として、ラストはびっくりの仕掛けが用意されているのですが、快哉を叫びたくなるような黒い気分がむくむくを湧き上がってしまいました。読了の際し不快な気分味わう作品=イヤミスとは言いえて妙ですね。今やすっかり、市民権を得たジャンルです。

自分が読了した教師 V.S. 生徒のサスペンスといえば、貴志祐介『悪の教典』黒武洋『そして粛清の扉を』ジョー・ゴアズ『野獣の血』です(興味があればリンクから参照ください)。

2010年公開 松たか子主演映画『告白』

本作品が原作の、2010年公開 松たか子主演映画『告白』はこちら。